第21回エンゲージメント研究会の開催報告をさせていただきます。(所要時間:3分)
今回は編集者として長年雑誌や書籍の編集に携わり、これまで企画した本の累計発行部数は1000万部以上、10万部を超えるベストセラーは50冊以上にも及び、編集だけでなく、マーケッターや事業構築、商品開発など幅広い分野で活躍されている柿内尚文さんに登壇いただききました。
◆柿内 尚文(カキウチ タカフミ)
株式会社アスコム 取締役 編集局長
著書:パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法
講師のプロフィールはこちらから
今回の研究会のテーマは、「価値の再定義」です。
柿内さんは編集のお仕事の本質とは、価値を発見し、磨き、届けることにあると話しておりますが、このコロナ禍においては、この価値が変化してしまったものが多数あります。
ここでこのコロナ禍においては新しい『価値の再定義』必要があるのではないかということで、価値の再定義をテーマに話をしていくことになりました。
アフターコロナのキーワードは『知ってしまった!』
このコロナ禍で、多くの人が生活のスタイルを変えることになりました。そのきっかけとなったのは変化した生活スタイルの中で『知ってしまった』ことにあるとのことです。
知ってしまったことが、人の心の中でモヤモヤとしながら人の感情に働きかけており、理屈や正論ではなく、もう以前のように戻ることができなくなってしまったのはここにあるといいます。
ここまでで、参加者の皆さんも自分ゴトとして考えながらうなずいており、そこで実際にコロナの前と後でなにが変わったのか?ブレイクアウトルームで話し合いながら考えていただきました。
皆さんの『知ってしまった』は以下のようなことがありました。
・通勤時間が無駄、わざわざ会社に行かなくても良いのかもしれない
・煩わしい人間関係を無理して続けなくてもいいのでは?
・会社の収入だけでなく別の収入も欲しい
・仕事って人生にどこまで必要?
・家族との時間が取れるのは嬉しい!
皆さんこのコロナ禍で、様々な変化があり、思い返してみるとたくさんの『知ってしまった』があったようで、短いディスカッションの時間でしたが、大いに意見を出し合っていただいたようです。
大事なのは○○ベース
先ほどのディスカッションでもわかったのが、やはり人間は論理や理屈ではなく、本能ベースで動いていることがわかり、柿内さんも長年の編集の経験からも大事なのは本能に刺さるかどうかが重要と話しました。売れている本もそうですし、SNSで拡散されるものも、本能ベースのものが多いとのことです。
柿内さんからは様々な事例で、人が本能ベースであることを示しながら、その中で私たちがどうあるべきか、エンゲージメントを高めていくにはどう働くのがよいかについて話して下さいました。
エンゲージメント高く働くのに外せない感情は?
コロナ禍で『知ってしまった』後に、私たちは何のために働くのか?
その回答の一つとして柿内さんからは『楽しい』という本能ベースを外さないことが大事と提案していただきました。
仕事は基本的には楽しいとは認識されていない世の中で、仕事が楽しいという感情を育成できている会社は魅力的だと話しており、この楽しいを以下のように分解しました。
①好きなことをしている楽しさ
➡いつも好きなことばかりはしていられない
②目的を達成する楽しさ
➡挫折を生む可能性も
③人に喜ばれる楽しさ
➡これが一番簡単、人が喜んでいる姿を見るとすごく嬉しい
つまり、企業として組織としていま大切な働き方は『喜ぶ力』『喜び合う力』が重要で、仕事で大切なスキルは『喜ばす力』とのことです。
ここで改めてブレイクアウトルームに分かれ、参加者の皆さんの『喜ばす力』について話し合っていただきました。
いつもエンゲージメント研究会に参加してくださっている会員の皆さんは、このコロナ禍もポジティブに捉えられる方が多く、『喜ばす力』に長けているなと感じさせられました。
ライフエンゲージメントを高めるために
柿内さんからは、私たちが『価値を再定義』しライフエンゲージメントを高めるための具体的な方法を、たくさんの事例を交えてお話しいただきました。
やはり編集者だけあって、非常にたくさんの書籍を例にしていただきました。
下記に紹介された書籍のタイトルを記載しております。ぜひ参考にしていただければと思います。どのように紹介されたかはぜひJEA会員となって、お問い合わせいただければ幸いです。
・最高におもしろい人生の引き寄せ方 | 髙橋 大輔
・あきらめよう、あきらめよう | 鈴木秀子
・もしあと1年で人生が終わるとしたら? | 小澤 竹俊
レポートは以上となります。
今回の研究会は、このコロナ禍で変わった価値について、それもわかりやすく論理的に説明してくださいました。さすが売れている編集者だなぁと関心させられる講演でとても為になる内容でした。
参加者の皆さんも早速今回の学びを活かし、自分たちの会社や組織に『喜ばせる力』を身に付けさせるための取り組みを始めているのではないでしょうか?
今回のレポートは以上となります。今後も第一線で活躍している様々な講師をお呼びして研究会を開催していきます。次回をお楽しみに!