第17回エンゲージメント研究会の開催報告をさせていただきます。
今回のテーマは『家庭』です。
新型コロナの影響で急速に進んでいるリモートワークによって、職場が家庭になっている人が急増しています。
会社であれば職場の働きやすさについて改善していくのは当然ですが、職場が家庭となったいま、社員の働きやすさをどのように改善していけば良いのか、家庭の充実という観点で、エンゲージメントとのかかわりについてHOME to WORKの粂井優子さんに登壇いただきました。
いま、日常的にリモートワークになっている方は多いかと思いますので、今回の内容が、ご自身の業務の課題を解決する参考にしてもらえたら幸いです。
仕事のパフォーマンスを阻む要因は?
まず、家庭の中でどんなことがパフォーマンスを下げる要因となるのか?
まず要因を社内と社外要因に分けると、、、
・社内 ➡ スキルや知識、マネジメント、社内の人間関係
・社外 ➡ 家事や育児、介護、家庭内のコミュニケーション不足、また自己肯定感の低さ
などが挙げられます。
今回の参加者の方はリモートで就業されている方が多く、社外要因の影響力には納得を感じていた様子です。
家庭が職場化している現代にとってはこれらの問題が深刻化しているのが非常に詳しく理解できたのではないでしょうか?
ホームとワークの加法効果
これまでは仕事の充実と家庭の充実をそれぞれ別々に考えることが主流でしたが、現在の環境においてはこれらを切り分けて考えることはできなくなってしまったため、いま重要なことは家庭と仕事を一緒に考え、『人生の充実』を考えることが重要になります。
そのために、今回重要としているのが『チーム育児』でした。
立教大学の中原淳先生のデータを用いて、チーム育児が職場の能力向上に影響を与えるということについて説明を受け、参加者のなかでも育児が必要なお子さんがいない方でも、その重要性について非常に深く納得をされていました。
OKラインを下げよう
OKラインとは?
家庭内でのコミュニケーションや関係をより良いものにするための基準です。
人にお願いをするとき、基準が高過ぎると、自分の基準を下回ってしまったときに腹を立ててしまいます。
もし、お願いしたことが期待通りではなかったときは、『自分のOKラインが高すぎたのかもしれないな』と考えることで、相手との関係を良好に保つことができます。
『OKライン』という響きの良い言葉に、参加者の皆さんも『へぇー』とすぐになじんでいらっしゃいました。
エンジョイ・ホームで仕事力を上げる
心理学者のB.W.タックマンの提唱する『タックマンモデル』という、少人数のチームが成果を上げるまでの過程の図を用い、少人数のチーム=家庭と捉え、家庭が充実するまでのプロセスについて説明いただきました。
受講者のみなさんも思い当たることが多々あるようで、自分たちの過程においてもいまどんな課題があるのかについて気付きがあったようです。
また最後のワークでは、ひとこと宣言といった、エンジョイ・ホームを実現するために家庭で何をするのか宣言をしていただき研究会は終了しました。
おわりに
いま多くの方がリモートワークになり、家庭で仕事をすることに課題を感じ始めているのではないかと思います。
どうしても仕事のパフォーマンスに関しては、家庭を切り離して考えがちでしたが、家庭も仕事も人生の一部と捉えて、どちらもうまく回るように考えていくのが大切であるという気付きが得られました。
受講者の皆さんも、研究会のあとは家族に対する『OKライン』を意識したかもしれません。
今回の研究会レポートは以上となります。
コロナ禍でリモートワークが話題になることは多くあるので、またこのようなテーマを取り上げていきたいと思います。
以上となります。次回の研究会も楽しみにして下さい!