第10回JEA研究会の開催報告をさせていただきます。
今回は代表理事の佐々木より、「エンゲージメントを高めるレジリエンス資源」をテーマに研究会を行いました。レジリエンスをテーマにした全3回のうち今回は2回目となります。
まずは、前回セッションのおさらいとして、『個人のレジリエンス資源の増やし方』のポイントをまとめました。
1.エネルギーの源
2.認知の柔軟性
3.感情へのアジリティ(俊敏性)
4.時間活用能力
5.自己効力感
前回は、個人のレジリエンスにフォーカスした内容であり、どうしたら自分のレジリエンス資源を増やし、エンゲージメントを高めているのか?といった内容でした。
そして第10回のテーマは、「組織のレジリエンス資源の増やし方」についてです。
組織のレジリエンスを高めていくには、どんな取り組みが必要なのかについて、参加者の方には講義やミニワークを通して学んでいただきました。
早速、組織のレジリエンス資源について5つを説明しました。
組織のレジリエンス資源とは?
ポイントは次の5つです。
1.信頼感ある職場環境
2.給与と福利厚生
3.上司の支援
4.環境条件
5.社会的重要性
5つについて以下に簡単にご説明します。
1、信頼感ある職場環境
働いている人達に対して信頼感を感じている状態です。
あるホテルの事例では、失敗をしても受け入れてもらえる環境を作るために「今月の失敗賞」として表彰しているそうです。
また、コロナ後のオンラインツールの浸透を活用して社長や部長といった役職の高い人とも会話を行い、社員間の距離を近づけて信頼関係を築くといった事例も紹介されました。
2、給与と福利厚生
給与と福利厚生は社員の幸福に大きなインパクトを与えます。
例えばボーナス支給では、金額は同じでも、年2回より年4回、福利厚生は小さくてもたくさんあるほうが効果が高いといった事例が紹介されました。
3、上司の支援
お金よりも上司から受ける影響の方がはるかに大きいです。
従業員間のエンゲージメントの差は、その理由の多くが上司に原因があるとのことでした。
「目標設定」や「挑戦と関心の提供」など、良い上司は質の高いフィードバックを行っており、従業員によってはフィードバックを勧化し、自分のパフォーマンスの向上に利用する場合が多いとのことで、ここでは上司がどのようなフィードバックをすればよいのかについての話がされました。
4、環境条件
働く環境によってもレジリエンス資源に影響を与えることがわかっています。
ここでは、実際に環境条件を従業員のレジリエンス資源を増やす取り組みをしている、レゴやITOKIの職場を例として紹介しました。
5、社会的重要性
自分の会社や仕事が社会的に重要であると認識しているとレジリエンスが高くなります。
そのためには、自分の会社の過去の成果について従業員にきちんと伝えることが重要とのことで、そんな取り組みや伝え方について紹介されました。
ここまで、組織のレジリエンス資源を増やす方法として、参加者同士で自分達がどんな取り組みができているか、あるいはなにが不足しているか?などディスカッションを行いました。
2回目までで、個人と組織のレジリエンス資源までを学んでいただいております。
おわりに
今回のセッションは、各項目ごとに講義とミニワークを行っていたため、参加者の方同士で新たな発見やたくさんの学びがあったようです。
当日参加いただいた方の声として、『レジリエンスについて言葉は知っていたものの、詳しく知らなかった。今回でレジリエンスを体系立てて学ぶことができた!』というありがたい言葉もいただけました。
今回の研究会が理解を深める機会になったようで大変ありがたく思います。
次回は『職務経験とレジリエンス』についてです。次回も楽しみにして下さい!